桜に誘われて


<桜図壁貼付 長谷川久蔵筆より 安土桃山時代1500年代の作品です>

寒いですね。

東京でも3月20日、開花宣言がだされ、先週末は桜も見頃だろうと
幼なじみ経営のスタジオにてお花見パーティーが開催されました。
がしかし、ここの所の真冬並みの冷え込みで桜もどうやら咲く事を
忘れてしまったらしく、スタジオテラスから見えるという桜も
・・・0.5分咲きというところでしょうか。
でも結局それを口実に仲間と楽しく飲める事が実は一番嬉しかったり
するものでした。
シャンパンに始まりワイン、果ては焼酎とどんどん空いてゆくボトル。
夕方から始まった宴会は盛り上がり夜遅くまで続いたのでした。

とてもオシャレな空間なので気分も良かったです。
写真を撮り忘れてしまったのでウェブを貼付けます。
JUPITER STUDIO
http://www.jupiterstudio.jp/photo/terrace.html
(並んだアイコンのフォトの中に桜が写っているものがあります。
満開ならこんな風に見えたはず。テラス目の前の新宿御苑の桜も
遠くではありますが、咲き始めのがちょっと見えました)

そして昨日はご近所の工房友達Aちゃんからランチのお誘いが。
私たちの家のちょうど中間地点に東大があります。
その中のカフェでランチする事にしました。


<東大の中のカフェからの眺め。緑に囲まれていてとても気持ちがいいのです>

春休み中という事もあって学内はひっそりとしてます。


<席からは5分咲きの桜がみえました>

カフェには早咲きの桜がみえるグッドな席があったので、そこで
まったりと桜を眺めながらこれまたアート談義やらアメリカンドラマ
の話やら英語の勉強の難しさについてなどなど、話はつきませんでした。
食後は広い学内の花見散歩を楽しみました。

やはりまだソメイヨシノは1分咲き〜3分咲き、日当りによっては
5分咲きという感じでした。


<まだソメイヨシノは木によっては咲いている?状態です>

ソメイヨシノより早く咲き始める枝垂れ桜はかなりきれいでした。
それでもまだ8分咲きくらいでしょうか。
ピンクの色味が強い枝垂れ桜は下から眺めると空から花が振ってくるようで
本当にうっとりとします。
人気が殆どないので、何となく得した気分で二人して桜を満喫しました。


<少し早くさく枝垂れ桜はもうすぐ満開です>

<こちらが一重の枝垂れ桜>

<そしてこちらは八重。華やかできれいです>

この大学の敷地内にはたくさんの桜があるだけでなく、野草が
自然繁殖しています。ラズベリーやラベンダーや名もしれぬ
(とごまかす)花々も春を盛り上げいました。

<以下は自生する東大の野草の花々です>

こうした花々以外にもつたの絡まる大木など立派な木もいくつもあります。


<例えばこんな風に>


<柳もりっぱです>


<大きな椿の木もあります>


<真っ赤な梅も咲いていました>

まだちょっと寒いけれど、この週末は暖かくなるとのことなので
いよいよ桜も満開ですかね。

毎年毎年やはり桜が咲く頃になると心が浮き立ちます。
きっと日本人のDNAに刻まれてるのでしょうね。
桜を愛でるということが。


<これは江戸時代、江戸、谷中の善光寺で桜を愛でる人々>

京都の細見美術館では正に今の時期にぴったりな展覧会が開催されて
います。
「萌春の美 —重要文化財 豊公吉野花見図屏風とともに—」展
http://www.emuseum.or.jp/exhibition/index.html
あぁ行きたいなぁ・・去年だったらちょうどいたのに!
HPの絵をみると日本人が400年以上も昔から現代人と同じように花見を
楽しんでいたことがわかります。
花見の起源は奈良時代の梅に始まり、平安時代に桜を楽しむようになったとか。

あと数日で寒さも和らぐそうなのでまた桜を求めてふらりと
散歩したいと思います。

手紙

メールが連絡の主体となる世の中となって、逆に手紙のあたたかさや
大切さを改めて感じ始めている今日この頃です。

とはいえ、やはり生活はメール中心。手紙をだしたりもらったり
する機会は昔にくらべて激減しました。
ここ最近は手紙や郵送物を送る時、自分ならではの思いと個性を
出せるように封筒や梱包材に簡単な絵を描いて送っています。

少し前から、そこに素敵なアイテムが加わりました。
「mt」と呼ばれるカモ井加工紙株式会社
http://www.masking-tape.jp
からでているマスキングテープのシリーズです。


<私の手持ちのmtシリーズ>

和紙で作られてるマスキングテープが色鮮やかな20色の
カラーシリーズや、文様、細い幅シリーズなど多様な品揃え
で雑貨として売られてるのです。
少し前に京都在住の友人がブログでが紹介していて気になって、間もなく、
老舗画材店やセレクト系の雑貨屋さんなどあちこち
でみかけるようになりました。
和紙の特性の少し沈んだ趣のある色味にハートをわしづかみに
され少しずつ購入しました。
今では手紙を送る際のマストアイテムになっています。
ここの会社に限らず多種雑貨としてマスキングテープが最近売られて
いるようで、コラージュ作品の本も出ているようです。
もしかして今、世の中マスキングテープブーム到来?なのかもしれません。

先日、小学校時代の恩師の先生から写真の葉書が送られて
きました。今は小学校の校長先生になられています。
以前個展にいらして下さったおり、私が今している仕事
を喜んでくれたのでした。その時に銅版画作品を学校に寄贈しました。
自分の作品が子供達の目に触れる機会があるなんて幸せなことです。
送られてきた写真には校長室の壁の「校則」や「今月の目標」や
「校歌」などと並んでいる私の絵の前に立って微笑む先生の姿が
写っていました。
裏には「あと一年で定年です」の文に続いて
「校長室に飾ってみんなに自慢しています」
との文字が書かれていました。
手書き文字の温かさがぬくもりとして心に伝わって来て、
嬉しくてなんだか涙がでてしまいました。
自分の絵で誰かが幸せな気持ちになってくれたら私は
その100倍くらい幸せなのだなと改めて感じました。
やっぱり手紙って良いな・・・とつくづく思う出来事でした。


<お返事の葉書はこんな感じです表>


<そして裏>

と、少ししんみり路線になってしまいましたが、その先生に
先日はがきのお礼として作品のポストカードとお手紙をお送り
しました。もちろん封筒にはちょっとした絵と
マスキングテープのコラージュをしました。
結局出す方のこちらが楽しんでいるのかも知れません。

クンストハウス・ウィーン

オランダに住む友人Suzanneからゲーム感覚のブログでの指名を
受けましたので、ちょっとそれに関しての日記を書きます。

”写真フォルダーの中の6番目のファイルをを開けてその中の6
番目の写真についてブログを書いてね”という趣旨のものです。
本当はこれを更に6人の友人に回すそうなのですが、私の場合は
ここまでとします。

旅写真にしぼってファイルを選んでみた所、でてきたのはこの一枚。

「クンストハウス・ウィーン/KunstHausWien」の模型です。
これは2006年の10月に軽井沢のメルシャン美術館で開催された
「フンデルトヴァッサー展」を見に行った時に会場に前に
展示されていたものです。なかなか精巧でよく出来ていて写真撮影
も自由ということでウィーンに行ったつもりでとってみたのでした。
https://www.yoko-hayashi.com/archives/2006/10/16/25/

クンストハウスとは何かというと、
画家であり建築家でもあるフンデルトヴァッサーがトーネット兄弟の
湾曲木材家具工場を買い取り、それを起点にガラスやメタル、レンガ、
木材、陶器、タイルなどをつかい、フンデルトヴァサー色に見事に
作り替えられた建物です。
1、2階はフンデルトヴァッサーの絵画、版画、建築模型、タペストリー
などのコレクション展示会場、3、4階は国内外の企画展示用の
スペースとなっているそうです。
オフィシャルのHPはこちら
http://www.kunsthauswien.com/
ウィーンの観光案内のHPにも紹介があります。
http://www.wien.info/article.asp?IDArticle=11822

フンデルトヴァッサーの絵画作品にも建築物にも、こちらの心を
浮き立たせるような愉しみやリズムを感じます。ヴァルコニーや
屋根から生える植物はまるで建物そのものが愉快な生き物で
あるかのような錯覚さえこちらに与えてくれます。
そんなフンデルトヴァッサーがクンストハウスについて語った
言葉を記したいと思います。これを読むと彼が「強い想いと意図」
を持って作品の制作づくりに望んでいたことがわかります。

「クンストハウスウィーンは美というバリアを持つ家であり、そこでは
美が最も効果的に機能する。それは規則に縛られない不規則性、つまり
起伏のある床や木の間借人、踊るような窓に表れる。そこには
自然に対する良心がある。これは一般の基準に従わない家であり、
現代の冒険であり、創造的な建築の国への旅であり、目と足を楽しま
せるメロディーなのである。芸術は不変の価値を生み出し、自然との
調和の中で美を勇気づけるという目的を持つものでなければならない。
芸術は自然とその法則を、また人間とその不変の真価の希求を尊重
するものでなければならない。芸術は自然の想像力あらゆる人間に
語りかけるものであり、一部の狭い美術界の人々のためだけのもので
あってはならない。クンストハウスウィーンは、この崇高は使命の
実現を目指している」

“The KunstHauseWien is a house of beauty barriers, where beauty
holds the most efficient function, a place of not regulated irregularities,
of uneven floors, of tree tenants and dancing windows. It is a house
in which you have a good conscience towards nature. It is a house
that does not follow the usual standards, an adventure of modern times,
a journey into a country of creative architecture, a melody for eyes and
feet. Art must meet its purpose. It has to create lasting values and the
courage for beauty in harmony with nature. Art has to include nature
and its laws, man and his strife for true and lasting values. It has to be
a bridge between creativity of nature and creativity of man. Art must
regain its universal function for all and not be just a fashionable
business for insiders. The KunstHauseWien strives for the realization
of this important goal. ”

残念ながらまだ彼の本物の建築物を目にした事がありません。
いつの日かウィーンでクンストハウスや彼の手による市営住宅
フンデルトヴァッサーハウスを観てみたいところです。