フンデルトヴァッサーと軽井沢の休日

中は撮影禁止でしたが、入り口付近の模型は
撮影し放題!vivaヴァッサー!!


メルシャンはウィスキーをマジメにつくってますの図


窓からの風景はイギリス風(美術館ではありません)

刷り増しの日々続く中、個展以前からどうしても観たかった
フンデルトヴァッサー展を観る為に先週(8日、9日)連休を利用して日曜、月曜と
軽井沢に行ってきました。

初めてヴァッサーの作品に触れたのは結構最近の事で、私のお気に入り番組、
テレビ東京の「美の巨人たち」で紹介されたヴァッサー建築「フンデルトヴァッサーハウス」
を観た時でした。
今から2年以上前の事です。そのときの感激はかなりのものでした。
微妙にいびつな形やカラフルなタイルの色使い。壁面の
ディティールに描かれた生物類、そしてなによりあらゆるテラスや
屋上からにょきにょきと生える植物や木々などに一目惚れしてし
まったのでした。私も住みたい!そんな家に。状態です。

表参道の洞潤会アパートが取り壊され、新しく商業施設件住居が建ちましたが、
私は以前からもし洞潤会後に建物が建つなら、ヴァッサー建築の様なものが建ち少なく
とも住居の一部がアーティストレジデンスになってくれればいい
なぁなどとあり得ない現実とは知りながらも切に願ったものでした。
そうすれば表参道の街の個性はより際立ち、豊かな個性を吸引
する原動力になったことでしょう。

とはいえ、70年代にオーストリア、ウィーンに建てられた市の
集合住宅のかの家も当時のリベラルな市長が依頼したとは言え、
その奇抜な様相(以前にはなかった建築)から反対が相次ぎ
着工から9年の時を経てやっと建てられたとのことです。
日本でも観られるヴァッサー建築、大阪市の市営のゴミ処理
施設も、アート的側面は全く無視され「税金の無駄遣い」問題
としてテレビに取り上げられてるのをみるとちょっと寂しいもの
も感じるのでした。

今回、軽井沢メルシャン美術館では元々は画家であるヴァッサー
のペインティング作品、版画作品、タピストリーと併せて
建築物!といいたところだけれど、「の模型」が観られました。
画家としての作品も素晴らしくて、建築物と呼応するカラフルな
色のマーブル状の世界が心を魅了します。加えて図版などでは
絶対にわからなかった画面のマジックを堪能しました。金銀に
加え、カラフルに光るラメ状場の箔が押された版画は観る角度
によって表情を全く変え、立ったりかがんだりして作品をみている
うちにある事がふと頭に浮かびました。
ヴァッサーは日本の浮世絵の版画師たちに協力をへて数々の
木版画もつくっていたり、日本人の奥様がいた事もあって
日本美術への造詣が深い。角度により表情を変える箔の使い方
は伊藤若冲展の時に観た屏風絵の多種多様な金箔銀箔の使い方
を思い起こさせました。

若冲展にて屏風絵の部屋はあえてガラスの間仕切りを排除し
日の出から日没までを模したライティングをしていたのでした。
そうすることで光の当たり方により様々な様相を呈し、変化して
ゆく箔が描画物に命を与える効果を引き起す様をみごとに再現こしていたのでした。

ヴァッサーのカラフルな箔を観ていて、ふと彼もどこかで
日本古来の屏風絵を正しい見方で鑑賞したのではないだろうか、
という思いが鑑賞中ずっと頭を支配しつづけました。

メルシャン美術館ということだけあって、醸造所見学なども
できたりして、一度そちらを見学してから再入場(同じ日なら
なんどでも再入場できます)して、ゆったりじっくり作品を
堪能しました。連休にもかかわらず、かなりすいていて
じっくり作品を観られて幸せでした。

2月に東京日本橋のデパートにも巡回するらしいですが、
もしすごくヴァッサーがお好きなら東京から1時間ちょっとで
行ける(美術館まではもう少しかかります)軽井沢で
11月12日までやっているこちらの展覧会を是非におすすめ
いたします。
東京でのこの手の展覧会はどうしてもドロドロ血並みの人ごみ
になること必至です。規模もおそらく縮小すると思われます。

それにしても軽井沢、空気が本当にきれいだった。
日頃ガソリンや薬品まみれの空気を吸ってるので肺が洗われ
ました。住んでも良いとさえ思えました。
いや、冬の厳しさは未体験です。すぐ気が変わるかもしれません。

個展終わって宴の後

無事土曜日に搬出して、個展を終える事できました。
昨日は余りにも疲れてしまい、一日呆然としておりました。

火曜日と水曜日のお昼時以外はお天気にも恵まれて
たくさんの方に絵を観ていただけて、純粋に嬉しいです。

東京新聞の「インフォメーション」コーナー(読者がだれでも
応募できる)に個展案内を載せてもらえたらいいなぁと、3週間
くらい前にDMを送っていたのですが、まったく載る気配もなく、
そのうち個展も始まり、目まぐるしい日々にすっかり新聞に目も
とおさず、その事さえ忘れていた金曜日(終了二日前)から
急にギャラリーに「新聞を観たのですが」との何本もの電話が・・
最初は「?」だったのですが、電話してくださった方に逆質問
してどうやら残り2日の所で絵つきで載せてくださったことが
判明しました。
その写真だけ観て絵を買いに来てくださった方もいたりして、
あらためて「新聞」というメディアの力を思い知ったのでした。
2日だけだったとは言え載せていただいたよかった・・・。
しかしなぜそんなに遅く?いやできればもう少し早く・・・。

期間中、たくさんの方に感想やコメントをいただきました。
そして専門家としての貴重なアドヴァイスもいただきました。
その多くの言葉はこれからの制作の糧となる事と思います。
頂いた言葉を自分の中でいかに昇華させて行くか、それは
新しいアイディアにも繋がるだろうし、一方で消して失っては
行けない個性との融合にもなって行くだろうし。
自分自身も楽しみです。
描き続けている以上、絶対に作品は変化、進化して行く
ものだと思うし、そうありたいと思っています。

次の個展がいつになるか、まだ全く未定ですが、その時に
良く成長した作品を発表できるよう、また制作の日々に戻ります。
あっ、もちろんその前に刷り増しや絵の発送致します!!

ありがとうございました!

lovelyな日々

あっという間に気付けば4日たっており、個展も後、
2日を残すところとなりました。

お天気が回復してからは、人通りのよさも手伝って殆ど
人が途切れる事なく入って来てくださって、ありがたいことです。

この4日間ですでに素敵な出会いと再会がありまして、とても
ここでは書ききれない程です。
プロの目として真剣にアドヴァイスをして下さったり、
ずっと観て来てくれてる友人などは素直な感想をのべてくれたり。
とても参考になります。
一番多く言われたことは、色が変わった。そして奥行きが広がった。
という事でしょうか。作家として作品を作って行く以上、常に進化、進歩
して行かなければいけないことだし、私はまだ全然その余地がある作家だと
思っているので、こういったご意見は素直にありがたく嬉しいものです。

そして、私の事など全く知らずに絵を観て気に入ってはいって来てくださる
お客様がいてくれたりするとそれだけでもうとても嬉しいものです。

しかし、かつてはジムがよいで鍛えていた私も、最近
運動から遠ざかっていて、それがたたってか、4日目にして
足が棒のようになってきました。やっぱり日頃から鍛えないと
だめなんですね。これは工房の皆ともよくはなすのですが、
一番華やいでなければならない個展のときが一番疲れ切って
いて顔はもうゾンビのような状態になってしまう。
案の定今回も久々に再会した友人に開口一番「大丈夫〜」と
言われました(笑)本番に体調の頂点をもってこられる余裕の
ある、そんな人になりたい・・・無理ですね私の性格では。

写真1
既製のファミリー額に作品をいれてみました。
題して「ケルトの木」

写真2
ギャラリーの外から中をとってみたもの。夜になって
も窓が一面ガラスなので目立ちます。