長屋魂

今週は住居マンションで工事のため二日間、二度も大規模停電が
ありました。
昨日も朝も結構早い9時半からから全館停電に。
こうなると人間いかに電気漬けの生活してるか痛感します。
テレビもパソコンも、フレッツ光の電話もオーディオ機器も
果てはとトイレの電器(窓がないんでうちは)まで。
でかけたいならドライヤーだってそれまでにすませなければ
なりません。でかけたいんです。
2日のうち1日は朝からどんよりと曇りでした。
こうなるともう真っ暗で家の中でできる事などありません。
追い立てられるように家をでて、カフェで版画の下絵を仕上げました。
電気を大切にね。

工房の友人の松本里美さんの個展が今週月曜から
銀座の伊東屋8階ミニギャラリーにて始まりました。

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<松本さんのDMです>

GINZA ITO-YA 8Fミニギャラリー
中央区銀座2-7-15
TEL 03-3561-8311
http://www.ito-ya.co.jp/
10:30am-8:00pm水〜土
10:30am-7:00pm月火日

この個展は、ミュージシャンでもある彼女の初ソロCD+初版画集
発売に先駆けて開催した個展で、ギャラリーにて先行発売で本を
買うことができます。
本の中には蔵書表のごとく松本さんが9パターン刷り分けた版画の
うちの一枚が入っていて、どれが当たるかは開けてみてのお楽しみと
なってます。こういのって子供の頃の駄菓子屋さんのクジにもにた
不思議なときめきがあってなんか買う楽しさがグンと増すものです。
9枚の作品は一枚の和紙のシートに刷られて会場の飾ってあるので
購入される方はまずそれをじーっと見てから買ってみて下さい。
ちなみに私は気に入っていたカエルが当たって嬉しかったです!

会場の絵ももちろん版画集からの抜粋になってます。新作の
ジェリーシリーズも加わってどんどん進化してる松本ワールドが
堪能できるはずです。

個展に先駆けて松本さんはちょっと色々と大変な事があったのですが、
無事、立派な個展を開く事ができて、友人としても本当によかったと
思ってます。
今回彼女の身に起きた大変な事を聞きつけた工房の友人達は次々に、
「私に何かできる事があったらと」声をあげたのでした。
松本さん本人はきっとそれどころではないし、気を遣ってしまう
だろうからと私の方にも何人かの友人が「何かある?」と呼びかけて
来てくれました。
私自身ここ2年程色々な事があって、工房の友人達には本当に助けて
もらってきました。人間一人じゃ生きられないと痛感したのでした。
慮ってくれる心が近くにあるというだけで、全然違うものです。
工房には江戸庶民、長屋魂が息づいていると実感する今日のこごろです。

徳川家の前でひれ伏す

この週末は上野の東京国立博物館で開催されている「大徳川展」
http://www.daitokugawa.com/
に行ってきました。


<秋の上野の森>

それに先立って、期間限定で国立博物館敷地内の庭園が開放
されているというので是非にと思い立ち寄りました。
入るやいなや、アスファルトの道の横に私が世界一苦手
としているゼニゴケがみっしりとはびこっているのが視界に・・・
完全にぞーっとなりました。
その後もこの庭の「順路」には随所にゼニゴケが・・・
ゼニゴケの庭と書いていてくれれば絶対に近づかなかったのに。
土の上に飛び石のみという難所もあり「癒されるたい」と思って
いた私の気持ちは完全に裏切られ、鳥肌ものの非癒し空間が展開
されたのでした。
ですがこの期間限定の庭。ゼニゴケ問題をさっ引いてもかなり手抜き感
いなめませんでした。年に二回のみの期間限定公開だそうですが。
どの館も固く扉を閉ざし、縁側に廃材?とおぼしきコンクリートなどが
置かれている始末。中心の池の蓮の葉も枯れていました。
とにかく見所感がないんです。まぁそれがやつらのはびこりを
許したのでしょう・・・。
前を歩く外国人観光客の老夫婦も足早に歩みを進めていました。
「順路」の最後に最難関「土の道」が・・人が歩くど真ん中は
さすがにやつら生えてませんでしたが、十数センチ横にはいます。
私がここを欽ちゃんばしりでかけぬけたのはいうまでもありません。


そして徳川家。だてに300年鎖国してたわけではなかった。
ビバ鎖国。まさに一人大英博物館状態でした。
徳川家ゆかりのお宝の質量共に圧倒されました。
思わず自分が徳川家に生まれていたら・・・
などという妄想までいだいてしまいました。
会場は相当の混雑ぶりでした。

銘刀正宗に始まる名刀の数々、家康初め名だたる武将ゆかりの
鎧兜、狩野探幽ほか狩野一門の筆による絵巻や屏風絵。
千代姫ほか姫君達お輿入れの際の艶やかな着物や漆器
などの品々・・・
それはまるで人のうちの蔵をのぞきこむようなもの。興味ある
品もあれば全く関心がないものも・・・
私が絵画系のもを沢山みられると思って期待を裏切られたと同様に、
人々の目当てはそれぞれに別れていたようでした。
刀の前には刀フェチ。鎧の前には鎧フェチ。それぞれが分業して
黒山の人だかりをつくっていたと思われます。
着物姿のおばさまがたが「もっと沢山着物がみられるかと思った
のに・・」と残念そうにつぶやいていたのが印象的でした。
みな小さな期待はずれを胸にいだきつつも、徳川の力の偉大さを
思い知る展覧会、まさに「大徳川展」だったのではないでしょうか。

庭の世界


昨日は工房の友人、朝子ちゃんの個展の搬入のお手伝いに石川町へ行ってきました。
それに先立って、まず朝子ちゃんのお家へ同じく搬入お手伝いの工房友人の
里美んさんとその旦那様と立ち寄って、個性ある椅子と癒しの庭をみせて
もらいました。学者さんだった亡くなってしまったお父様の古い洋書類
などがあるお宅はなにか昭和の匂い漂うレトロで心地のよい空間でした。

朝子ちゃんの庭は正に朝子ちゃんの作品の世界そのものでした。
庭でわさわさと揺れる様々な植物達。一番しっくり来るのは恐竜時代の
植物をミニチュア化した様な感じとでもいいましょうか。さながら自分が
ステゴザウルスくらいの大きさの気分だったら調度いい感じ。遠い遥かな
DNAを刺激するのか、何か和みます。地面にはシダ類。頭上にはフサアカシアの木。
この木は太いしっかりした幹にまるでオジギソウが細くなった様な繊細な葉が
沢山着いていて、わたくしステゴザウルス、思わずついばんでしまいそうです。
朝子ちゃんがさりげなく庭になってるストロベリーグァバを摘んでくれて
それを庭を観賞しながらいただきました。
この庭に会いたければ個展会場に是非足を運んでみて下さい。彼女の描く
世界に庭の植物達がゆれています。

その後、コーヒーなど入れていただき、すっかり和んでこのまま何もかも
忘れてしまいそうな我々でした。がしかし、違う〜!今日はこれから
大事な搬入です。我に返った一同は急にてきぱきと準備にとりかかり一路
石川町へ。
ついていきなり、ギャラリーのオーナーが差し入れてくれたたいやきで
和む・・・あぁ、また和んでしまいました。和んでばかりじゃないのか?
いえでも、それからは脇目もふらずちゃんと真剣に、且つときどき笑い有り
で朝子ちゃんの大いなる構想を具現化すべく、血液型も全員違う面々が
見事な役割分担でアイディア等だしあいつつ、作業しました。
気付いてみれば3時間半たってました。そして努力のかいあって朝子ちゃん
らしさのあるとても素敵な展示に仕上がったのでした。グレイト!

並べてみたらおおらかで強く、そして優しい作品が並んでいました。
ここ数年、お父様をなくされたり大変な思いをした彼女の色々な心境
それを乗り越えて来た経験などが腐葉土のようにつみかさなって
作品にすごく良い形であらわれている様な気がして、眺めていて
感無量な気持ちになりました。土を介して新しい水になる草木になる。
だから庭の世界が描かれているのかなと。
試行錯誤したギャラリーのウィンドウディスプレイは、その世界を
かいま見れる市松模様の小さな窓に仕上がっていました。

作業後、途中から搬入お手伝いに加わってくれた帽子作家さんの加藤さん
ともども中華街の同發というお店で打ち上げお食事。
朝子ちゃんの個展の開催を祝いつつ美味しい宴となりました。
でも男気ある朝子ちゃんがお支払いをしてくれてしまい・・・。
おそらくかなりのお値段を負担させてしまいました。
これはよろしくないので今どうやってご恩返しするか思案中です。
だって同發ってお安いおみせじゃないんです〜。

三階朝子展
「Asako Sangai 2007 Exhibition」
2007.10.23(火)〜28(日)
11:00am〜7:00pm(最終日4:00pm)

画廊 ぎゃるりじん
〒231-0868
横浜市中区石川町2-85
tel 045-681-5900
http://homepage2.nifty.com/flower-kobayashi/