麗しの代々木公園



いよいよ東京も、紅葉が美しい季節になりましたね。

というわけで週末、京都にはいかれないのでせめて近場で
京都気分をと明治神宮&代々木公園散策に出かけました。
まずはNHK裏手の代々木公園の地味な入口から公園内に
突入です。ここはかなりの穴場なのかそれともまだ午前
11時前だからなのか、人気がまったくありません。
入るなり赤や黄色に紅葉した桜の木立が目前に広がります。
そして一陣の風と共に吹雪のように散る枯れ葉。
ここは渋谷なの?感動沸点の低い私はいきなり感動です。
もしかして・・・代々木公園って知られざる(知らないのは
私だけ?)紅葉のメッカ?高鳴る期待とともに、道路を
横切る太鼓橋を渡ってメインの敷地内にはいりました。


想像以上の紅葉の美しさでした。紅葉が日照の関係なのか
それぞれに、真っ赤やオレンジ、赤黄色などに色づいて
ケヤキや桜、常緑樹などとの美しいコントラストをあちこち
で作ってます。エリアによっては黄色に染まるイチョウ
並木や枯れ葉のじゅうたん敷き詰まるケヤキなど、所々の
紅葉をポイントに飽きさせない紅葉シーンが展開されるのでした。


がしかしながら唯一の難点が・・お土地柄か朝っぱらから
アンプにつながれた大音量で流れるトランス系のミュージックの音。
公園内ではアンプ繋ぎは禁止されてるもののすぐ外で相当な音量
で流しているので朝の静かな公園に響き渡ってます。
このBGMと一眼レフ片手のシニアなおじさまと紅葉。もの凄い
ミスマッチです。もともとそういう土地だから週末はあきらめる
しかないのか・・・。


続いて、京都疑似体験とばかりに高鳴る期待を胸に明治神宮へ
むかいました。さすがにここまではハウスミュージックの音も
届きません。大いなる鳥居の前から散策スタートです・・・
って、あれ・・どこまでいってもカシ、シイ、クスなどの常緑樹、
常緑樹またまた常緑樹・・・ときどき1本紅葉。
ってこれ夏と殆ど風景が変わってないではなですか!


結局本殿の前まで殆ど満喫できる紅葉はなく、本殿の前に鎮座する
ご神木もこんもりと緑に覆われていました。このあまりの常緑樹ぶり
にはなにかしら作り手の意志を感じざるをえません。
そもそも明治神宮の森は80年前に作られた人口の森・・・
という訳でちょっとネットで調べてみました。詳しい理由
は見つけられませんでしたが、どうやら常緑樹は神様が
宿る木と考えられているらしく、神社等の木には花が咲く木
や果樹の木は相応しくないと考えられているようです。
常緑→永遠の命、生命力などの思考から守護樹という発想が
生まれたのかもしれませんね。欧米でもever greenは生命力の
象徴と考えられてるようですし。
そういうわけで、神社と紅葉という私のプチ京都風味満喫計画
は見事に撃沈しました。

不完全燃焼を解消すべく早々に代々木公園に戻りました。


時すでに1時過ぎ。この頃になるともう公園はかなりの人です。
警察に注意されてハウス君が音量をさげたのか、他に新たに
多種多様なバンド、50年代ツイスト軍団等のパフォーマーの音
が加わったからなのか、ここまでくると音はもう一つの雑音となり、
むしろさっきより気になりません。歩いてなかったエリアを新たに
散策すると大きなドックヤードがもうけられてる一角があり、
そこはまさにムーミン谷からやってきたの?みたいな犬や、
北極からようこそ、みたいな犬達のパラダイスになってました。
ほか、お笑いを披露する者、ベンチで雑疑団的な事をする者、
太極拳する人達、チャンバラに興じる外国人軍団、演劇する
若者、ベンチの上でタップする男子、アフリカン太鼓軍団、
ジャグリングに興じる人、クラリネット吹いてるおじさん、
ものすごくチューしてる外国人カップル、中世のナース
コスチューム(ゴスロリ風味)女子とカメラおじさん軍団、
などなど午後の代々木公園も別な意味で楽しい所になってました。


まだ間に合います。美しい紅葉を満喫したければ今からでも
代々木後編へゴーして下さい。平日は静かでしょう・・・。

DUSAN KALLAY


<ALICE IN WONDERLAND>

たくさんの絵を観たり音楽を聴いたり本に触れる事は
元来私にとって、とても好きな事だけれど、時にそれらは
突然、突出して、私の感受性を刺激したりするのです。
そして思いがけない「化学反応」が頭の中をぐるぐると
巡り始めるわけです。

そんな時はただじっと、しばらくその絵の前で立ち止まり絵の
向こう側の世界で妄想にふけったり、その本を読むふりをして
頭の中でぐるぐると空想にふけったり、その音楽を聴きつつも、
違う景色を頭の中で描いたり・・・。

最近もスペシャルなアーティストが描いた本に出会いました。
DUSAN KALLAY(ドゥシャン・カーライ)が
描いたLEWIS CARROLLの「ALICE IN WONDERLAND」
そして「HANS CHRISTIAN ANDERSEN 」(アンデルセン)
がそれです。特に「アリス」。彼の描くアリスの世界は
規定概念に全く無理なくとらわれておらず、完璧に独創的
なのです。その溢れるイメージの海に圧倒されました。


<from ALICE>


<ANDERSEN>

もともと大好きな作家ではあったし彼の日本語版の絵本も
一冊もっていたので何となく他の本も・・と検索してその
存在を知り、一目見てその創造の世界に心を奪われました。

感受性を刺激してくれる存在との出会いはかけがいがない。
それはいつも私の背中を新しい領域へと押してくれるのです。

長屋魂

今週は住居マンションで工事のため二日間、二度も大規模停電が
ありました。
昨日も朝も結構早い9時半からから全館停電に。
こうなると人間いかに電気漬けの生活してるか痛感します。
テレビもパソコンも、フレッツ光の電話もオーディオ機器も
果てはとトイレの電器(窓がないんでうちは)まで。
でかけたいならドライヤーだってそれまでにすませなければ
なりません。でかけたいんです。
2日のうち1日は朝からどんよりと曇りでした。
こうなるともう真っ暗で家の中でできる事などありません。
追い立てられるように家をでて、カフェで版画の下絵を仕上げました。
電気を大切にね。

工房の友人の松本里美さんの個展が今週月曜から
銀座の伊東屋8階ミニギャラリーにて始まりました。

image411.jpg
<松本さんのDMです>

GINZA ITO-YA 8Fミニギャラリー
中央区銀座2-7-15
TEL 03-3561-8311
http://www.ito-ya.co.jp/
10:30am-8:00pm水〜土
10:30am-7:00pm月火日

この個展は、ミュージシャンでもある彼女の初ソロCD+初版画集
発売に先駆けて開催した個展で、ギャラリーにて先行発売で本を
買うことができます。
本の中には蔵書表のごとく松本さんが9パターン刷り分けた版画の
うちの一枚が入っていて、どれが当たるかは開けてみてのお楽しみと
なってます。こういのって子供の頃の駄菓子屋さんのクジにもにた
不思議なときめきがあってなんか買う楽しさがグンと増すものです。
9枚の作品は一枚の和紙のシートに刷られて会場の飾ってあるので
購入される方はまずそれをじーっと見てから買ってみて下さい。
ちなみに私は気に入っていたカエルが当たって嬉しかったです!

会場の絵ももちろん版画集からの抜粋になってます。新作の
ジェリーシリーズも加わってどんどん進化してる松本ワールドが
堪能できるはずです。

個展に先駆けて松本さんはちょっと色々と大変な事があったのですが、
無事、立派な個展を開く事ができて、友人としても本当によかったと
思ってます。
今回彼女の身に起きた大変な事を聞きつけた工房の友人達は次々に、
「私に何かできる事があったらと」声をあげたのでした。
松本さん本人はきっとそれどころではないし、気を遣ってしまう
だろうからと私の方にも何人かの友人が「何かある?」と呼びかけて
来てくれました。
私自身ここ2年程色々な事があって、工房の友人達には本当に助けて
もらってきました。人間一人じゃ生きられないと痛感したのでした。
慮ってくれる心が近くにあるというだけで、全然違うものです。
工房には江戸庶民、長屋魂が息づいていると実感する今日のこごろです。