飛べないのは・・・鴨だけじゃなかった?


一週間以上たってしまいましたが、先々週の週末、湯島天神に
梅を見に行きました。すでに「梅祭り」と称して境内で梅見が
出来る模様です。ですが、行ってみるとこの冬の寒さのためか
まだ殆どの梅が、ちっちゃいつぼみを堅く閉ざしていたのでした。
残念・・と思いきや意外な発見がありました。神社やお寺の彫刻
フェチの私の心をくすぐる色とりどりの彫刻がそこかしこに・・
急遽目的変更で、彫刻を撮影しまくったのでした。


そんな私の聖地はもちろん、日光東照宮です。ですがこの辺の
くだりはまたの機会に(話すとながくなります)


私はかねてより梅の枝に心惹かれているのですが、ここの枯れた
梅の枝の奇想なフォルムにもかなりハートをつかまれました。
境内の梅園、小規模ですが、低木の梅の枝が怪しく視界に広がる様
はみていて飽きないのでした。


目的の梅の花が見られなかったので、そこからほど近い、
上野の忍ばずの池まで足をのばしました。


すると、いました。噂の「飛べない鴨軍団」しかも色々な種類
の鴨がいりまじって、もう縄張りもプライドもかなぐりすてて
人間が「かわいい〜」なんて手を伸ばそうものなら(私のように)
おしりをふりながら物怖じもせずに近づいてくるのです。


・・・私は・・・ゆびを噛まれました・・・。
ちょっとえさをよそおって指を一本だしてみたのでした。
痛くはなかったです。鴨の態度はあきらかに、
「けっなんだよ指かよ!まぎらわしい!」みたいな感じでした。
ちょっと寂しかったです。そしてなれすぎてます。
すると横でさらなる人だかり、ならぬ鴨だかりが。
その中央には王様のごとくシニアな世代のおじさまが一人。
左手には「ソフトサラダ」せんべいを袋ごとかかえていまいす。
群がる鴨。ソフトサラダせんべいを砕いて巻くおじさま。
そんな、塩味の強い揚げたせんべい食べたら、飛べなくなるよ!
私は心の中で叫びました。事件は現場で起きていました。

がしかし、だまっててもえさをくれる彼らの社会にも新たな
生存競争があったのでした。のろまな鴨をあざ笑うかの
ように空から舞い降りるゆりかもめ軍団。両者真剣に
ソフトサラダせんべいを奪い合ってます。その中央には
悦に浸るおじさま。おじさまの寂しさはいやされるかもしれませんが、
あきらかに、脂っこいジャンク菓子は野鳥の体をメタボにしています。


忍ばずの池の柵に寄りかかるとすぐにゆりかもめが近くに舞い降ります。
最初はかわいいなどといってましたが、別に人なつこくかわいさを
アピールしてくれているのではないことはその後のサラダせんべい
おじさんの出現で明らかになりました。そうは言っても、愛くるしい
その姿はやっぱりかわいいので思わず写真に収めました。集まる彼ら。
その目は語っていました「写真とらせてやるから、せんべいくれ」と。

その後も広い池のあちこちで人間の勝手な餌付け大会が・・・。
これじゃぁ飛べても帰る気がうせるかもしれません。

その後は上野東照宮を目指しました。
でも今日はこの辺まで。

東京雪景色


東京は久しぶりの大雪でしたね。
先週一週間はほぼ、胃腸に来る風邪で寝込んでいるうちに
終わった私です。ですが、雪と聞くとどうにもこうにも血が
騒いでしまいます。浮き浮きワクワクする気持ちを抑えられず、
病み上がりにもかかわらず、カメラ片手に家を飛び出してました。

とはいえ、あまり遠出もなんなので、散歩でおなじみの明治神宮前
と代々木公園をめざしてみました。


それにしても想像以上の寒さです。さすがの私も病み上がりで
頭痛もする状況ゆえ若干後悔がまじります。
駅までの道で、すれ違う人の何人もがビニール傘をさしているのに
遭遇しました。それをみて、しまったと思いました。そうでした。
にっぽんの秘技ビニ傘!これを雪の日にもたずしていつもつ!
玄関にたまる一方のあの傘を今日こそつかうべきだった・・・。
あれがあれば視界180度、降雪を120%楽しめたというのに・・・。
皆さん、雪のエキスパートなのでしょうか?
それとも単に前日お泊まりだったのでしょうか?どっち?

原宿駅につくと、いつもはコスプレ系の皆さんでいっぱいの参宮橋も
今日ばかりはかなり閑散としてました。ですが、タンクトップの
黒いコスプレに身を包む勇者や、台湾から来たらしい(胸に台湾と
かいてあった)ちょっと微妙にファッションものりもずれてる感
否めないグループががんばってパフォーマンスしてました。

私は一路明治神宮へ、大鳥居をくぐりました。
本殿までは、普通の日でも足を取られる玉砂利の長〜い参道が続きます。
過酷でした。雪を楽しみたいのに思わず下をむいてしまいます。
一陣の風が吹くと思わず木々から雪がどかっと落ちてきます。
でもやはりそういったこともちょっと楽しく思えてしまう雪効果。


ですが、長靴も雪ファッションも持ってない、もやしっこです。
歩き始めて5分もすると足先が全く感覚がなくなってしまい、体も芯から
冷えてしまいました。いきなり、峠の茶屋ならぬ途中の土産屋で暖をとる
という軟弱ぶり。客を装いつつ、十分体が温まらせるため店内をじっくり
見て回ります。気がついたらうっかり、芳香剤を買っていました。
何をやってるんでしょうか・・・でもおかげさまで再び足先に感覚が
戻ってきました。気を取り直して本殿を目指します。

そこから更に5分ほど歩いてやっと本殿に到着しました。
雪化粧を施した本殿は想像以上に趣がありました。


寒かったけれど来てよかったです。嬉しくなって一人撮影大会です。


お礼にと本殿でお参りしていたら、突然大太鼓の音が響きました。
つづいて神主さん達がぞろぞろと現れました。結婚式の行列です。


明治神宮ではおなじみの風景ですが、雪の中で観る一行はまた風情が
違って見えるものです。外国人観光客はかなり興奮して撮影していました。


どれくらい本殿周りにいたのでしょうか、もう完全に足先の感覚がなくなり
寒さも限界に達したので、帰途につくことにしました。
ですが例の長い歩きにくい参道が待っていました。途中本当に限界を感じ
また同じ土産屋のある場所のレストランで休憩を取ることに・・・。
そこで温かいそばとミルクティという、「あたたかければ何でもいいの」
作戦で復活をはかりました。もはやかなりのお得意様です。

ここに到着した時点では「寒すぎる、もう無理、さようなら代々木公園」
と思っていたのですが、七味唐辛子をいれたおそばで完全「暖」復活。
ありがとうカプサイシン。
再び気を取り直して、代々木公園を目指しました。


さすがに今日の代々木公園でパフォーマンスをしている人は一人もいません。
そもそも人影もまばらです。
いる人々と言えば、親子連れ、若者達の雪だるまチームか雪合戦チーム。
犬の散歩さん。カメラおじさん。外国人観光客。くらいです。
女一人カメラ片手に歩いてるのは私くらいか・・・。
ですが、雪の代々木公園は本当に幻想的でした。
15センチはあるかと思われる新雪をずかずかと踏みしめながら一人、林を
歩くのはなかなか気分がいいものです。人気があまりないので貸し切り気分です。


けれど凍てつく足の冷たさはいかんともしがたく、とても全行程をまわるのは
無理と判断・・・時間も4時に近づきだんだん寂しい感も漂ってきました。


うら寂しいエリアで、男が一人近づいてくると、ロマンスよりも危険を感じて
しまう小心者です。更には極度の寒さが災いしているのか、シャッターを
押すたびにデジカメから煙が出始めました。なんでも臭いを嗅いで確認する私です。
鼻を近づけてみると・・・焦げ臭い・・これはまずいです。


このままではせっかく今日一日、体を張って撮った写真がだめになるかもしれません。
というわけで、代々木公園散策は途中リタイアすることにしました。
それでも美しい雪景色を堪能できました。


帰ってきてみると、カメラは無事でした。
足の指は過酷な環境にさらされたためか、二倍くらいにむくんでしまいました。
これが・・・しもやけにならなければいいですが。

リューバ君のバリュー


<新丸ビルから見える東京駅、周りのビルの巨大化に伴いすっかり小さくみえます>

新丸ビルに用事があったので、ついでに先頃から気になっていた、
奇跡のマンモス「リューバ展」を観てきました。
http://www.mammoth2008.jp/index.htm


このリューバ君は、西シベリアの北極圏で2007年5月、
しっぽがかける以外は殆ど無傷という奇跡的な姿で発見された
赤ちゃんマンモスなのです。
「世界初公開!」と銘打ちなぜかひっそりと丸ビルで展示されて
おります。800円の入場料で。

「奇跡のマンモス」を観ない訳には行きません。今日こそはと、
会って帰ることにしました。
丸ビル1階の一角にもうけられた会場は予想以上に小さく仮設風です。
どうも展示物はリューバ君以外期待できそうにありません。
そのリューバ君に会うための待ち時間はただいま10分とのことです。

入ってみると中は資料館のようにパネルに「像やマンモスの解説」や
「なぜマンモスは滅んだのか」「リューバ君発掘地の様子」などが展示されています。
今回の奇跡の発見では最先端技術でリューバ君のCT調査を行ったということで、
実際に全面協力した慈恵医大の教授のご挨拶などといものまで展示されています。
通路仕立てになっていて、パネルコーナーが終わり曲がると、もう前方でリューバ君
を観るために人々が列をつくっていました。
その列の通路でいきなりのネタバレが・・・。
私は思っていました。「リューバ君てどんなだろう。ちょっと楽しみ」
言ってみればそこに唯一800円のバリューがあったようなものです。

ですが、通路にはいきなりスキャンされ3GCT画像解析されたリューバ君
の姿が映し出されているのです。3Gなだけに、色々な角度で回転なんか
してます。大きな画面で完璧にリアルです。
更に、次々と画面は設置されてます。今回の調査でわかった「リューバ君の骨格」
「筋肉や内蔵組織」「リューバ君の腸」などなどががリューバ君の体が透けた
3G状態で観れるというすごい画像の連続です。

などと感心している場合ではありません。なぜこの段階でこの展示?
リューバ君に会わずしてもう既にリューバ君の裏表から中身まで
知り尽くしてしまった私です。

これは本来リューバ君を観た後に展示すべきではないでしょうか?正直、
画面のすごさより、本物を観る楽しみがそこなわれ少々がっかりしました。
会場にはすごい短い曲ながら、スターウォーズのような大いなる音楽が
繰り返し繰り返し流れています。これも800円の一部かもしれません。
結局、20分くらい並んでやっと会えたリューバ君は赤ちゃんだけに普通の子像並み
の大きさ。毛がぼうぼうというわけでもなく前足の膝にちょぼっと生えてる(残ってる?)
程度です。ビジュアルは既にすっかりなじみの状態です。大きな感動はありませんでした。
保護のため仕方ないこととはいえ、手前には青い蛍光灯のようなものが光り、その
せいでかなり観づらく、うす暗い状態で安置されていました。
リューバ君の耳はとっても小さかったです。例えるならゴリラ程度でしょうか?
これが唯一意外な発見でした。

並んでいる間、暇なのでお客さんは口々に係の人に質問してました。
「どうしてリューバって名前なの?」「この像は雄?雌?」などなど。
お姉さんは質問に答えつつ、「えー前後してるんですが、ここにリューバ君の
プロフィールがあります。」とリューバ君見学後の出口近くのパネルを指さすの
でした。

果たしてそこには書いてありました。
リューバ君雌。なのでリューバちゃんと書くべきでしたね。雄かと思ってました。
意味は、発見者イヌイットの子供にちなんでいて意味は「愛」日本語になおすと
「愛ちゃんという感じかもしれませんね」とのこと。生後6ヶ月です。
これぞ本体の前に展示すべきものだったのではないんでしょうか?謎です。

見学の最後は、永久凍土がどんどん溶け出してる昨今だからこそ、このリューバ君
の発見に至ったこと。リューバ君発見は地球温暖化への警鐘と受け止め、
私たち一人一人が温暖化防止に努めなければならないなどとの文章がそえられ、
この展示のまとめとされていたのでした。
がしかし、暖房が聞いたビルの中で、警鐘を鳴らすためのリューバちゃんに
対してなされている設備投資を思うと気持ちは複雑なのでした。

オフィスビルでの展示とのことで期待してはいけなかったのかもしれませんが、
それにしても、もうすこし展示の工夫をして欲しかったです。
さてこのリューバ君もとい、リューバちゃんの見学料、果たして高いのか安いのか。

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奇跡のマンモス「リューバ展」
〜3万7000年の時を超えて〜
2008年1月2日(水)〜2月3日(日)
丸ビル1階 マルキューブにて
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