麗しの京都(四)

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< 宿からの鴨川の眺め>

一泊旅行ということで、勢い込んで一日目にしてで3日分くらい
凝縮した京都見物を楽しんだ我々は二日目、すでに朝からかなり
おつかれモードでした。

今日は、昨夜京都案内をしてくれた二宮さんが再び案内してくださる
と、あたたかい申し出をいただいたので、お世話になることに
いたしました。前夜の時点ですっかり疲れ果てた我々の要望により
本日の予定は「ゆったりまったりコースで」とお願いしました。
Nさんこと二宮さんの提案で、桜で有名な平野神社でのお花見会という
ことにあいなりました。

我々には唯一死守しなければならない、門限ならぬ電車限?がありました。
行きと同様、激安のチケット故、帰りの新幹線も2時半もしくは
8時半京都発という過酷な2択しかなかったのでした。長居したい気持ち
をぐっとこらえ、翌日のことを考えて早めの電車を選びました。が
このチケットもし乗り遅れたら替えが聞かないとの緊張をしいられます。


< 風情ある鴨川沿いの桜>

チェックアウトをすませた後、待ち合わせまでの時間、桜咲く鴨川沿いの
朝の散歩を楽しみ、その後、四条のデパ地下でお花見用のお酒とおつまみ
をゲットしました。

待ち合わせたのは、西陣にあるル・プチメックというパン屋さん。
ここは二宮さん一押しのパン屋さんで前回若冲展の時も、教えてもらった
のにそのとき間違えて手前にある違うパン屋さんで買い物をして帰った
というアホな落ちがついてしまったのでした。

お店はイートインも出来るカフェスタイルで、いい雰囲気です。
ハード系やタルト、バケットサンドなどなど多種多様の美味しそうな
パンがずらり並んでいました。パン好きの私です。ついつい
「そんなに買ってどうする?」というくらいのまとめ買いをして
しまいました。お店のHPはこちら↓
http://www.le-petitmec.co.jp/

ここから北野天満宮をさらっと経由して平野神社に向かいました。
途中、なんとも魅惑てきなお店が・・・
「まつひろ商店」さんというがま口屋さんで、お店の外のディスプレイだけ
でも萌え〜(やや死後)な品揃え。二宮さんの奥様もここのがま口を
お持ちとのことで見せていただくとこれまたかわいい・・。
すごく入りたかったのですが、両手には帰りの荷物とパン、花見の荷物
がてんこもり。これではがま口をなぎ倒すに違いありません。
かなり後ろ髪ひかれましたが、次回来るからと思い直し、通り過ぎました。
市の中心の3条にもあるそうなので、またの機会にいきます。
HPはこちら(あぁかわいい)
http://matsuhiroshoten.com/

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< 多種多様な桜が咲いてます>

平野神社は二宮さんご夫妻が結婚式を挙げられた神社だそうです。
http://www.geocities.jp/daa01397/
http://kyoto.cool.ne.jp/kyotocity/niwa/hirano.htm

境内ではちょうど結婚式を挙げている新郎新婦がいて、古式ゆかしい良い
雰囲気のなかご神木の前で記念撮影をしておりました。

ここの神社は多くの種類の桜を擁しているそうで、この時期はどの
タイミングできても順々に咲く桜のどれかを楽しめるそうです。
二宮さん曰く、今年はなぜか一時に殆ど咲いているということで、
ありがたくもほぼ満開の多種多様な桜を鑑賞することができました。

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< 続、平野神社多種多様な桜>

神社の本殿横が広場のようになっていて、そこには無数のソメイヨシノが
植えられていました。こんなに一つのエリアにソメイヨシノが凝縮されて
植わっているのを見るのは初めてです。

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< 桜でいっぱいの広場>

見上げる空は満開の桜で埋め尽くされています。
正に「桜の雲のあいだから青空が見える」といった風情です。
地上は特設のお見合い会場となっておりました。

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< お花見会場も桜でいっぱい>

東京と大きく違う点は、「席料」というのを払っておくと場所が「予約」
出来るシステムになっているというところで、大きな枝垂れ桜などの下は
「○○様」と書かれた札が置かれておりました。
ここでも屋台システムが出来上がっていて、それぞれの屋台が自分の縄張り
のようなものを持っていて、お席代を支払うと、すでに赤い布がひかれている
台座?のような畳二畳分くらいのスペースで即お花見を開始することが
できます。条件はその縄張りの屋台さんから飲み物や食べ物を調達すること。
我々も運良くかなりいい感じの場所を確保することができました。
屋台のお得なおつまみ付きビールセットで乾杯し、満天の桜のもと、
楽しい宴を開始したのでした。

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< 我々の宴席からの満天の桜♪>

その後はこっそり持ち込んだものなど飲み食いしつつ、二宮ご夫妻との
楽しい語らいはつきず、気がつけばあっというまに帰京の時間が迫って
おりました。

タイムリミットがなければあのまま気分よく永遠と宴会してしまいそうな
楽しいひとときでした。今までのお花見のなかで間違いなく1番です。

前日の夜の京都巡りと、夢の京都でのお花見。本当に夢にまで見た桜の京都
体験を満喫することが出来ました。これも地元の方のアドバイスあって
こそです。お心配りいただき、ご案内して下さった二宮さんご夫妻には
心より感謝申し上げます。

というわけですみません忙しすぎてちょっと間があいてしまいましたが、
夢の京都巡りツアー日記はこれにて終了です。

麗しの京都(三)


< 部屋からは鴨川の眺めが楽しめました>

夕刻5時、宿に着きました。
チェックインをすませた後、お部屋へ。
宿に関してはちょっと割愛・・・。お部屋から桜咲く鴨川が見えました。

夕食をすませたあと、今回色々とアドバイスしてくれた京都在住の
パノラマカメラマンNさんが京都夜景案内に連れて行ってくれました。
宿まで来てくれたNさんと再会の喜びの挨拶をして、いざ夜の京都へ。
パノラマカメラマンで、ウェブデザイナーであるNさんは
コーディネーター業でも十分やっていけます〜!と言いたくなるほどの
名ガイドぶりなのでした。
ちなみにこちらがNさんのHPとブログページです。素敵なパノラマ
写真がみられます!
http://vr-express.com/
http://pencil-jp.net/weblog/
我々のライトアップした「清水寺も是非観てみたい」との願望をふまえて
Nさんはコースを考えてくれました。
高瀬川沿いを楽しんだ後、まずは八坂神社へ。


< お祭りモードの八坂神社でした>

そこはまるで初詣かお祭りか?くらいの賑わいぶりでした。提灯に明るく
照らされる境内。中程の舞台では音楽会の準備がされていました。
それにしても、京都に来て驚くのは屋台の多さです。
おそらく東京の5倍〜10倍くらい(いやもっとかもしれません)あろうか
という屋台がお花見ムードのお寺や公園のあちこちで見受けられます。
やはりお土地柄というか、東京では観た事のない屋台もあります。
その中の一つ「焼竹の子」をとても美味しいからとNさんにおすすめされて、
いただきました。といっても私は歯列矯正してるので、非常に残念ながら
かぶりつく事ができず。男子二人で味わってました。寂しい。


< 東京にはまずないでしょう焼竹の子屋台>

牛筋を煮込んだものを出してるところとか、東京にはない屋台がいくつも
ありました。中には有名どころもあるようで、行列ができてる店もあります。
屋台文化、定着しています。
東京では屋台はすたれて、排除される傾向にあるのに、京都ではまだまだ
とても元気なようでお寺の境内のこんな所まで入り込んでいいの?
とこちらが心配になるくらいの所まですみずみぎっしりと並んでいた
のでした。

導かれるまま、お祭り気分の道を歩いているうちにいつの間にか円山公園に
到着しておりました。


< 地元の皆さんで賑わう丸山公園>

円山公園のかの有名な枝垂れ桜の下は花見客で大宴会場と化しておりました。
下からライトアップされた老桜は荘厳に枝を広げておりました。その存在感は
やはり圧倒されるものがあります。


< 堂々たる枝垂れ桜>

Nさんによれば、桜の根元はコンクリートで固められ、延命のために数々の
処置が施されているとのこと。それはもはや「サイボーグ桜」のごとく、
なんとか生きながらえているのだそうです。確かに数本の枝先はすでに花を
つけておらず、話を聞いた後では、また違った感慨が胸にわいてくるのでした。
ですが次世代の円山公園の桜は、すでに非常に由緒ある造園業の方によって
育てられているそうです。さすが京都。
それにしてもこういった話を随所でしてくれるので、Nさんとの散策は
美術館の「オーディオガイダンスを聞きながら」さながらの楽しいツアー
なのでした。

その後高台寺方面へ。ここはライトアップの美しさでは有名なお寺です。
昨年の3月、京都に訪れた時はその美しさを堪能しました。今回は時間配分を
考慮して通過です。

ここから清水寺に向かう二年坂へと入りました。さすがに桜満開のライト
アップの時期とあって、夜もかなりの人ででした。それでもNさんが懸念
していたほどの人でではなかったそうです。再び初詣か?のにぎわいを
見せる二年坂からふらっと横道に誘われ、少し歩いた我々の視界にはライト
アップされた八坂の塔が鎮座しておりました。この界隈の道は一本入った
だけなのに、急に嘘みたいに静かです。
堂々たる八坂の塔を独占して眺めました。
これほど間近で観たのは初めてです。カメラマンのNさん、ここですかさず
夜の八坂の塔、カメラベストアングルを伝授してくれました。
< ですが我々の性能低いカメラには思惑とは裏腹に闇夜が・・アップできず>

そして再び賑わう3年坂へと戻り、いよいよライトアップの清水寺に到着
です。まさにここは元旦か?の人出でした。
午前中ここにきたときよりもずっとたくさんの人がいます。


< 清水寺入り口。これも実際は10倍くらい明るいです>

美しくみえるよう計算されたライトを浴びた清水寺は、夜の闇に幻想的に
浮かび上がっておりました。天上には山の方から一筋のレーザーライトが
京都市内に向かって指し込まれ清水の神々しさを演出。広い境内随所が
惜しみなく照らし出され、感動すると同時に、「いったいいくら電気代が
かかるんだろう・・」という現実的な疑問いや心配?が私の脳にも
ライトアップされてしまいましたました。
http://www.monzenkai.com/yakan.htm
(写真が殆ど撮れてなかったのでこんな感じです↑)
Nさん曰く、この照明は東京の照明デザイナーによって配置されたものだ
そうで、閃光きらめくレーザー光線は一晩でそれはもうびっくりなお値段
がかかるとのこと・・・。そんなにお金使って大丈夫なのか清水寺!と
心配になりましたが、目の前に溢れ返る400円(昼は300円でした)
の入場料を払った人々を見ると、「全然大丈夫。」と境内に奉られている
えびす様からお返事がきこえてくるようでした。
舞台の上は人が幾重にもてんこもりで、今にも木造建築が崩れ落ちるのでは
と不安になるのですが、この優秀な古来の木造建築はこの程度のことでは
びくともしないのだそうです。byNさん。すごいぞ昔の日本人。
そういう訳で、ミーハーに舞台の上からもライトアップされた夜桜を満喫し、
ライトのおかげで昼よりも良く見える舞台下の木造柱の美しさにみとれ、
再び三十の塔をうっとりとみあげて満足して清水寺を後にしたのでした。




< 魅力的な看板がいっぱいの夜の京都>

その後は先斗町のバーでNさんを囲み楽しいく熱い語りの「飲み」タイム。
若沖展の時は本当にちょっとだけしかお話ししなかったので、こんなに
じっくり話すのは初めて。でもなんとなく初めてとは思えないそんな
親しみを持たせてくれるNさんなのでした。

麗しの京都(二)


< 哲学の道>

同志社大の学食でリーズナブルなランチを楽しんだ我々は一路バスで
「銀閣寺道」へ。ここが「哲学の道」直近のバス停です。
銀閣寺はただいま修復工事中ということで、今回はスルーする事にしました。


< この時期哲学はちょっと無理・・の哲学の道>

「哲学の道」出発点界隈はお昼時を過ぎ、既にかなりの人人人でした。
とても「哲学」できる状態ではありません。そこはもはやメッカ巡礼
状態でした。人々は行く人来る人数列ずつの行列で歩いています。
観光シーズンにここに来るなら、銀閣寺道から南を目指す歩き方を
お勧めします。逆から来た人たちは、おおむね水路から一本離れた道を
歩かざる終えない状況でした。
ですが、そんな過酷な環境であっても、やっぱり来てよかった!と
思える水辺の桜の風情でした。
途中、GoofyMANIAさんに教えて頂いた版画ギャラリー高野に立ち寄りました。
哲学の道からほんの20メートルくらいはいった所に
ありますが、急激に静かな雰囲気になります。
ここは主に木版画作品を取り扱っているギャラリーです。
http://www.gallery-takano.com/
他にもポストカードやグリーティングカードなど本刷りしたものを
リーズナブルなお値段で購入する事が出来ます。私も数枚のカードを
購入しました。


< 途中美しいしだれ桜もありました>

そしてまた、過酷?な行脚へ・・・。
自分のペースで歩けないからか、皆なだんだんとうつむき加減に・・・
その視界には人々の行進がもたらした白い土煙がたちあがっていました。
道々の途中何組かの外国人パフォーマーが音楽を奏でていました。
中南米のハープ弾くものあり。フレンチテイストのヴァイオリンと
アコーデオン弾くものあり。がしかし、洋物と日本の桜はやはりちょっと
ミスマッチなのでした。なぜかお琴を弾く日本人はいませんでした。
そろそろ、ぎゅうぎゅうの哲学の道はおなかいっぱい・・
というあたりでちょうど道も終わり、そのまま道なりに南禅寺を
目指しました。主題が桜だったので、今回はお気に入りのお寺、永観堂
もスルーです。

南禅寺。ちょうど今年のJR東海、春の京都キャンペーンポスターに選ばれた
お寺です。見事な桜を手前にした三門のポスターは東京のJRの駅あちこちに
これでもかと貼られたものでした。
http://recommend.jr-central.co.jp/others/museum/kyoto/spring_2008_02.html
ここで私は重要なポイントに気がつきました。ポスターの絵は人間の視点
じゃなかった!広い境内に点在する桜、壮大な三門も立派です。でも
脳内にインプットされてるこぼれ落ちんばかりの桜+三門という絵とは
また違った雰囲気でした。そしてさらに三門の上にはあふれんばかりの
人が鈴なりになってました。


< 人で溢れ帰る南禅寺三門界隈>

あぁ・・私のイメージ・・。それにしてもポスター効果かすごい人です。
水路の方まで行きましたが、我々急にここで人の多さに疲れきってしまいました。
人に酔ったというところでしょうか。

その後は、Goofyさんがいなければ知り得なかった、ルート、インクライン
と琵琶湖疎水沿いの桜を楽しむことに。

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< インクライン、ここも大人気でした>

インクラインは南禅寺を出た所の旧線路沿いにある桜で、地元では有名
らしいです。ここからさらに琵琶湖疎水の水辺沿いを平安神宮方面
に向かって歩くと、ずっと見事な水辺と桜の景色が楽しめるのでした。
疎水沿いを歩けるなんて知りませんでした。


< 癒しのスポット琵琶湖疎水沿い>

ここは明らかに穴場感ただよっていました。観光客は神社仏閣に集結
するのか、散歩してる方は主に地元の方々のようでした。


< 疎水沿いには動物園や美術館などがあります>

碧い美しい水べに立派な桜が続きます。この散策は、人ごみに萎えていた我々
をゆったりと癒してくれました。


< 大市街地とは思えないきれいな水>

途中平安神宮の大鳥居が現れました。大鳥居から入り口までは更に100メートル
くらい歩かなければならなさそうでした。視界には再び人人人。既に足は棒状態
です。まぁ欲張ってもね・・・と夜桜見物に出かけるつもりの我々は
大人の決断でここは一つ見送る事にしました。
また来るからね。と心の中でつぶやく私。


< 船からの眺めも楽しめます>

その後も疎水沿い終点?まで散策を楽しみ、時刻は既に5時頃。
チェックインのために宿に向かった我々でした。