猫の話


<三代目猫 ラッキー>
< the third cat “lucky” >

週末は「父の日」ということで、滅多に帰省しない弟も
一緒に実家ですごしました。

実家では猫を飼っています。
いま飼われているのは三代目の猫です。
初代チースケも二代目ニャンチャもそして
三代目ラッキーもみんなある日突然庭に現れました。

初代の子猫はやせ細ってはいたものの身ぎれいで賢く
躾がされていたので「推定捨て猫」ということになりました。
チースケは病気になってしまい3年間しか一緒に
すごすことができませんでした。
その後数ヶ月して今度は二代目の登場です。
ある朝、庭に数匹の子猫と母猫がいました。
子猫は生まれたてという感じでもありませんでした。
いったいどこからやって来たのか全く不明です。
親子は頑としていすわりました。おそらく「捨て猫達」だろう
ということになりました。
中で引き取り手がなかった一番小さくやせて病気の猫が
家の二代目となりました。
二代目はその後元気に成長し、天寿を全うしました。
この時点で私は既に実家をでていましたが、この時
両親は「もう悲しいから猫は飼わない。」と断言したのでした。

ところが・・・
しばらくして実家に行くとなんと猫がいるではないですか!
何故?!これが今いる三代目ラッキーです。

ある日突然庭に現れたこの若い猫は最初からとても
人なつこかったそうです。
「飼い猫」だろうと思った母は気軽にかわいがりました。
日に日に庭に現れる回数や時間が増えてゆき、追い出しても
帰ろうとしなくなりました。
母の中の「またしても捨て猫?」疑惑が確信にかわり、
猫をラッキーと名付けて数日経ったある日、
近所のクリーニング屋さんの猫事情通マダムから
「あるお宅でいなくなった猫を探している。」
という話を聞いたのです。
その猫の特徴は正に”ラッキー”そのものでした。
母は「もしかして家にいる猫ではないか」と申し出ました。
飼い主は一人暮らしの若い女性でした。働いており、
殆ど家にはいられない生活をしてました。ラッキーは
彼女が通っていた学校で生まれ生徒達からエサをもらって
育てられた学校野良猫でした。
学校で飼えなくなり、かわいそうに思った彼女が卒業と同時に
つれてかえり、飼い始めたのでした。
母はラッキーを彼女の元へ返しました。
名前も元の名前にもどされラッキーという名は封印されました。
ところが、返すや否や猫は再び戻ってきてしまいました。
以降、何度も猫を返し、家にあげないようにしても毎日猫は
家の庭で過ごしました。そんな日々を繰り返したある日、
飼い主の彼女は言いました。
「きっとこの子はそちらで飼われたいのです。よろしかったら
この子を飼っていただけますか?お願い致します」
それ以来猫は再び”ラッキー”と呼ばれ今も実家で幸せそうに
暮らしています。


<北欧アンティークテキスタイルの猫>
< north European antiquk textile cat >

猫は不思議な生き物です。どうして家には猫がやってくるのか。
募集もしてないのに。謎です。
彼らには住むべき家がわかるのでしょうか?

I went to my family home last weekend,
because it was “the Father’s day”.
I was so happy that I spent with a cat after a long time.
He is the third cat called “lucky” of our family.

I think that cats are mysterious beings.
We have never thought that we want a cat,
despite this, cats always appear in our garden.

The first cat was an abandoned kitten.
Following The first cat death, the second appeared
in our garden. And similarly, the third did.

I wonder why they come to our house.
They already know what they should live which house ?
Surely, the cat is a lovable family to us in this now.

ザボ展始まる

毎年恒例の工房の展覧会が昨日よりスタートしました。
The exhibition of our etching studio “Zabohouse”
is being held at Bunpodo garelly from May 25th to 30th.


<今年のDMは粕谷さんの作品です>

第17回ザボハウス展
2009/5月25日(月)〜5月30日(土)
am11:00〜pm6:30/最終日pm5:00
文房堂ギャラリー 
千代田区神田神保町1-21-1 文房堂ビル 4F 03-3400-6381
http://www.bumpodo.co.jp/gallery/gallery_index.html
地図はこちらに
http://www.bumpodo.co.jp/kotu/kotu_index.html

ザボハウスのHPはこちらです
http://www.zabohouse.com/


<オープニングの会場>

工房は世界的不景気とは裏腹に、ここのところ新らしい方が
たくさん入会されて今回の参加者は過去最高の54人!
多数を銅版画が占めてはおりますが、他にも木口木版や
リトグラフ、絵画などバラエティにとんだ作品を見る事が
できます。
こと銅版画に関しては、一般的には中世の頃の黒一色の
細い線。というイメージをもたれている方が多いかと
思いますが、実際ご覧になられますとこんなにも
多種多様多彩な表現ができるのかと作風も様々な
個性豊かな作品がならんでいます。


<会場風景1 画面左端に私の作品がちらっとみえます>


<会場風景2 広々とした空間です>


<会場風景3>
特にうちの工房の特徴としては色味が本当にカラフルな
作品が多いのです。


<私はこの2展、秋の個展に出したものです>
These are my etching works.

<エレベータ正面あたりにあります>
細かいよ!なのでクローズアップしたものを少し


<そんなわけで私も多色派なのでした>

私は黒い銅版画の美しさは大好きですが、工房展にて
黒はかなりの少数派です。
みな好きな絵を好きなように制作しているので、これは偶然的な
ものだと思うのですが。


<例えば従来の銅版画のイメージを覆す
アンドーヒロミちゃんのクールでキッチュな作品>

たくさんの色数を使ったものや、太い線でエネルギッシュな作品や
現代アート的なクールな作品や抽象画など、従来のイメージを覆えす
ラインナップに、毎年必ず何人かのお客様が
「これは銅版画ですか?」と質問されます。
なかなか一度にたくさんの人の銅版画を見る機会というのも
少ないかとおもわれます。お時間ございましたら
是非足をお運びください。


<たくさんのごちそう1>

そして、オープニングということで昨夜5時から盛大に
オープニングパーティーがおこわなわれました。


<たくさんのごちそう2>

皆で買って来たり持ち寄ったりした食材とお酒を飲み
仲間としゃべり倒し、そして作品達に囲まれながら
気持ちよく楽しいひとときを過ごしました。
昨夜のメインイベントは最近入会されたタンゴ協会の理事も
されているダンサーの方とそのペアの方、お二人のアルゼンチン
タンゴのダンスでした。全三曲ダンスを披露してくれました。
一曲目は工房のメンバーでもありミュージシャンでもある
松本里美さんが美声でジョイントでタンゴの歌を披露。


<3人のパフォーマンス>

一気に会場はアルゼンチンナイトなモードへ。
ここはブエノスアイレスか?状態です。
超超超(三つつけてもたらないくらいの)ザボ始まって以来
の大人なムードのステージでした。


<作品を前にお二人の華麗なステージ>

アルゼンチンタンゴは初めて生で見ましたが、美しい姿勢で
静かに寄り添うように踊るその姿は今までのエロティックという
私中のイメージよりもずっと神聖で美しいものでした。
感動のひとときでした。
しかし何故このようなすばらしいプロのダンサーカップルが
銅版画を?という素朴な疑問が頭から離れず、二次会で質問
してみたところ「ぼくインテリアデザイナーもしてるから」
とわかるようなわからいようなお返事をいただきました。
でもようこそザボへ。来年もまた踊って下さい!のステージ
でした。


<盛り上がったオープニングパーティー>

工房のメンバーは正に老若男女、プロもアマチュアも様々な
人たちが共に制作しています。
我ながらすごく良いバランスがとれていて、みんな仲も良くて
良い仲間達だなぁと改めて客観目線で見つめ直した昨日でした。

ところで二次会会場は神保町というお土地柄、我々以外の周りの
客はほぼ100%サラリーマンのおじさま軍団。
我々は端から見ると(というか一般サラリーマンから見ると)
かなり謎の集団に映っているようでYさん曰く、何人かの
サラリーマンに「いったい何の集まりですか?」と聞かれたら
しいです。
そんなに不思議集団なんだろうか・・・・。
一人目のおじさまに質問された後YさんとAちゃんは談義して
以降「劇団員です」と答える事にしたそうな(笑)
なかなかいいかも・・って
そう言う発想が、やっぱり変な人集団なんでしょうか

We had the opening party on Monday around five p.m..
It was potluck. so everyone brought something.
Inviting dishes overflowed on the table!

Professional tango dancer’s couple who was admitted
zabohouse recetly danced the tango.
I had never seen the Argentine tango before live though,
that was purer and more beautiful than I imagined.

I submitted to this exhibition my 2 works.

絵画との対話は楽しい


<「ちいさいちいさい王様」>

松屋銀座デパートで5月11日(月)まで開催されていた
「ミヒャエル・ゾーヴァ(Michael Sowa)展 描かれた不思議な世界」
に行きました。

ミヒャエル・ゾーヴァはインタビューの中で語っていました。
「仕事が仕事を呼び、人が人につながり、新たな扉を開く」
もともと積極的に自分から何かを求めてゆくタイプではなく、
誰かに背中をおされたり、手を引っ張ってもらったりして
いつの間にか前を歩いていたような気がする。
人生には大きなターニングポイントがあり、自分にとっては
一つの展覧会の成功で絵本の挿画の仕事が舞い込みそれ以降
自分を取り巻く環境は大きく変わった・・・


<映画「アメリ」より>
<アメリのベッドの上に飾られていたクジャクの絵>

彼の名前を知らなくても、映画「アメリ」の中で、アメリの
ベッドの上の壁にかけられていた真珠の首飾りをした
白いクジャクの絵や病気の犬やワニの絵、豚の電器スタンド
の作者、あるいは「ちいさいちいさい王様」(トップ画像参照)
や「エスターハージ王の冒険」の挿画を手がけた画家と
いわれればピンと来るひともいるかもしれません。

ゾーヴァはありきたりの風景の中にちょっとした「異」や
「ユーモア」「風刺」を描き込んでいます。
例えば、感謝祭に向かう七面鳥の夫婦の後ろに忍び寄るの
フォークを持った人間の影・・・。
家のドアの前にたたずむのは腕に三角巾をした猫。
婦人が首ひもをつけて散歩につれているのは蛾。
ウソをついた女の子の口からはひきがえるが出てくきたり・・
ペンギンが街中を飛んでいたり・・

はたまた橋の上で地元料理を襲うのはハンバーガー達。

ジャガイモ倉庫へ歩いてゆくのはジャガイモ達

皿の上では腐った食べ物や細菌が楽しげに会話してます。

ゾーヴァは気に入ったモチーフは何度も何度も大きさや構図を
変えて描いています。
スープ皿のなかでニッと笑う豚や、草原の池に向かってダイブ
する豚など数パターン描いている作品が多々あります。
また画家ではなく上描き屋とあだ名される程、完成した作品
でも後から筆を入れ、原型をとどめていない作品も多数あります。
ゾーヴァの仕事をみていると、もっと自由でいいんだ。という
ことに気付かされます。誰も束縛も制限もしていないのに
知らず知らずに余計な制約をつくっているのは自分自身だったのだと。

ゾーヴァが世に知れ渡るきっかけは確かに挿画が大きいけれど、
もう一つ大きなきっかけとなるのが旧知の仲だった
ミヒャエル・エッター氏が会社を立ち上げて始めたポストカード
の販売でした。画家であったゾーヴァにとって、ポストカードは
より多くの人に自分の作品に触れてもらえる良いきっかけでした。
<こちらでゾーヴァ作品のポストカードがみられます>
http://www.hyakuchomori.co.jp/life/card/michael_sowa/pages/sowa_card2.shtml

ゾーヴァの作品を観ながら、彼の作品が多くの人の目に触れ
愛されるようになったのは単なる強運などではなく必然的に
導かれて行ったという事が一目瞭然でわかります。
作品自身の個性ある魅力、アイディア、ユニークさ、
時にとってもラブリーであること、もちろん圧倒的な画力、
そしてユーモアとアイロニーの完璧で絶妙なさじ加減。
観る側を惹きつけて楽しませる要素が作品にはたくさんつまって
いるのです。
ゾーヴァの絵を観ていると話しかけたくなります。向こうがこちらの
問いにユーモアたっぷりに返事してくれる様な気持ちになるからです。
対話できる絵画ってそれだけでとても魅力的です。

余談ですが、ゾーヴァ作品の「ユーモアさ」を観ているとなんとなく
江戸時代の浮世絵画家、歌川国芳を思いまだします。
国芳もまた、作品の中に「ユーモア」と「皮肉」を巧みに
織り込んだ魅力ある作品の創り手でした。
<これは国芳作、「金魚づくし」のシリーズから>
<いかだのり>

筏の上には金魚が。

<こちらはゾーヴァ作「渡航」>

筏の上には一頭の豚が・・。
*大きな絵の中の小さい豚なので画面中央に小さくいます。

<同じく国芳「金魚づくし」から>
<にはかあめんぼう>

空から降ってくるのはなぜか雨ならぬアメンボウ!

<そしてゾーヴァ作そら耳本「白い黒人のウンババ」より>
<死体が空から降ってくる・・・(本当のタイトルは不明)>

空から降ってくるのは・・なんと骸骨!

両者とも観る側の心を浮き立たせ、ちょっとにんまりとさせて
くれるという共通点があります。チャーミングな絵、です。

自らの成功について淡々と語るゾーヴァのインタビューをみながら、
彼は適正な時期にきっと「開いて」いたのだろうな・・
と思いました。
なぜなら運命は本人が「閉ざして」いるときには決して
訪れてくれないような気がするからです。
人生には必要があってじっとしていなければならない時期や
「閉ざさざる終えない」時期もあったりするけれど、頭から離れ
ない自分がなすべき事を「Do」できなくても「Plan」しつづけて
いれば必ず再び「開く」タイミングは訪れると思うのです。
「Plan」「Do」と改めて自分にも言い聞かせました。

会場2カ所わたってインタビュービデオが流されており、
彼の生き様やら言葉をききながら、そしてたくさんの作品と
対話しながら、色々と考えさせられる展覧会でもありました。
ゾーヴァに感謝の言葉を贈りたいです。

*今回は携帯からの画像だったのでちょっと画面が
粗い感じになってしまいました。