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ようこそ「Celtic Forest」へ

1999年より銅版画を作り始めて以来、ケルトの森をテーマに制作をしています。
多くの秘密や伝説を内包しているケルトの神話、国を持たなかった民族の知恵と信仰、ドルイド、木の暦、口承民話などは私を強く惹き付けました。それらからインスパイアされたケルトの世界は私の中で新しい森をつくり広がっていきます。
Yoko Hayashi

ノワールな週末

  • 2007-08-23 (木) 0:38
  • Blog
  • 作成者:Yoko.H

image276.jpg
<写真1>

週末二つの黒の世界に浸りました。
一つは土曜日。千葉市美術館にて。
祖母の見舞いの帰り「都市のフランス自然のイギリス」展に行き
ました。
http://www.ccma-net.jp/exhibition_01.html
ユーモア溢れる風刺画、そして時代を代表する作家達の版画から
多くの感銘と刺激をうけました。

そもそもは同時開催の「若冲とその時代」展が気になって気が付
いたこちらの展示でしたが行ってみたらむしろメインはこちらでした。
思いがけず、ギュスターブ・ドレの信じられない程緻密な小口木版
(といっても彫り師が彫っているのですが)の世界をかなりの数
目の当たりにすることができ、その線だけで描かれた黒の世界の
奥行きに感心しきり。さらに狂気を含んだブレイクの版画をみて
満足。そして一番心に残ったのは、ジョン・マーティンによる
銅版画のメゾチント作品「失楽園」の中の「天国に上る人々を
眺めるサタン」でした。その世界の雲は黒一色の世界なのに、
何色もの光、色を放ちうごめいていました。
まるで生き物のように。
細かいからすごいとか緻密だからすぐれているとか、そういう
領域ではもはやなく、そういう意識を飛ばしてしまう程、
生き物としての「生」を雲に与えてしまうその画力・・・
ちょっと打ちのめされました。
行って良かった・・・。そう思えた展覧会でした。

「若冲・・」のほうですが、「若冲」を冠にすべきでなかった
のでは?とちょっと思いました。ブームだからそうしてしまった
のか。
展示作品は決して悪いわけではありません。 応挙も芦雪も
蕭白もありましたし他作家の作品もよかったです。
ですが若冲作品は少ないので、なぜタイトル??・・感は
いなめません。タイトル代えた方が印象が良かったような・・

もう一方は日曜日。
bunkamura「Les noirs de Redonールドンの黒」展です。
http://www.bunkamura.co.jp/shokai/museum/lineup/07_redon/goods.html
オディオン・ルドンのリトグラフ作品を中心にルドンの描く
ノワールの世界が展開します。
ポスターにもなっている「蜘蛛」のリトグラフがなんとも魅力的。
入ってすぐ、これが動画化されていて、とってもかわいかった!
(注:これに関してかなり指摘されたのですが、時に私の
「かわいい」は一般的なそれとはかなりずれてるらしいので
その辺ご理解を)

始めて、ルドンをみたのはオルセー美術館でのパステル画でした。
幻想的な世界を描いたそのパステル画は保護のために暗い部屋に
置かれておりましたが、それでも色とりどりの深い色彩はパワー
を放ち心を奪われたのを今でも覚えています。
それだけに、「ルドンの黒」興味がありました。

それは1800年代に生まれた画家が描いたとは思えない奇想あふれ
る世界でした。私にとってはある種ユーモアさえ感じる怪物たち
が闇の世界で息づいていました。
その殆どはリトグラフ作品でした。
解説によれば、ルドンは生まれてすぐに里子に出され心を閉ざし
て成長したのだとか。ルドンの描く「黒」は同時にルドンの
「心の闇」そして「心の闇の開放」だったのかもしれません。

image277.jpg
<写真2>

目玉の気球など。いくつか気に入った作品が動画化されていたの
ですが、立派なアート作品になっていて素材の良さと作り手の
うまさがみごとにコラボレートされてました。

それにしても前述の「都市のフランス〜」は栃木県立美術館の
収蔵作品。
後述のルドン作品は岐阜県立美術館の収蔵作品。
地方美術館の底力を思い知った週末でした。
いいかも地方美術館探訪。

動画シリーズ
写真1は「蜘蛛」とってもチャーミングにうごめいてました。
写真2は「目は奇妙な気球のように無限に向かう」これは他作品
と連作になっていて作り手のうまさが光ってました。

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