サントリー美術館の懐は広かった 概要編

ゴールデンウィーク中に東京ミッドタウンに新しく移転した
サントリー美術館に行ってきました。
展示についての日記は長くなるので明日またつづきにて載せます。
ということで今日は概要から。

東京ミッドタウンについたのはもう夕方も4時をすぎていたころ
でした。かなりの人手を予想してたものの、夕刻ということも
あって、思ったよりは混雑していませんでした。
お店は殆どスルーしてしまいましたが、美術館へのプロセス
としてミットタウン内を歩きました。
印象としては六本木、表参道各ヒルズよりずっとすっきり洗練
されてる感じがします。うたい文句通り、和を基調としてるせい
か、中庭的竹のオブジェがあったり随所に木の質感を感じられたり、和紙の行灯があったりと、最近流行の近代的無機質ビルとは一線を画してる感がありました。
そして敷地内の40%を締めると言う緑地が大きな窓からすっきりと見えるのも佇まいの落ち着きに大きくプラスの効果を与えてると思われました。やはりこれくらいの余裕(すべてにおいて)欲しい
ものです。

サントリー美術館、こちらも夕刻だったのがよかったのか思った
程は混雑してませんでした。チケット売り場は全く人が並んで
ませんでした。
こちらの美術館も和を基調として建築家の隈研吾氏が造られたとのこと。ミッドタウン内からは受付を通ってエレベーターで中に入ります。エレベーターをおりると目の前一面に和紙の行灯のように光る壁。床はウィスキー樽を再利用したホワイトオークといきなり自然の素材でつくられたスタイリッシュ空間がひろがります。美術館4階から3階の展示室へ向かう階段も外界の光を取り入れつつも日本の伝統的な作り窓「無双格子」が取り入れられて洗練された光空間が演出されてます。

3階に降りたところは少し広めの空間になっていて、格子窓の向こうに皮のイスがしつらえられそこから庭が見渡せるようになっています。イスには図録も置かれてました。GW中にもかかわらずこちらもゆったりすわれるすき具合。もしかしたらこの手の美術館はミッドタウンの観光客とはあまり客層がリンクしてないのかもしれません。
だとしたらある意味ここはオアシス的存在になるかもしれません。
個人的には居心地の良い空間だと思いました。

ミュージアムショップの品も展示品を元に作った物やその他オリジナルの「和」グッズ系で揃えられてましたが、例えば展示作品であった江戸時代作の伊万里焼による大皿、オランダ人とオランダ船籍の絵柄からとったピンバッチ、携帯ストラップなど、そもそも絵柄自体が現代のイラストとしても「かなりイケてます!」なキュートな作品を上手に商品化しているあたり、森美術館に見習って欲しい感じがしました。トートバックも和テイストでシックでなかなか良しでした。
図録を買ったのですが、ハードカバーの豪華な作りで印刷もきれいでした。これで2000円。ずっとこのクォリティを保てるのでしょうか・・・。保ってください。

実は今回、サントリー美術館の会員になりました。
レギュラー会員で年会費7000円。何度行っても無料で入れるだけでなく、同行者1名まで常に無料です。さらに、音声ガイドが1台無料でついてきます。図録やミュージアムグッズは10%オフで購入可です。
最初は入会するかどうか躊躇しましたが、今回のように3度入れ替えのある展示だとそれだけで3,000円かかることになります。そして今後のラインナップには最近かなりラブな「屏風」に光を当てた屏風絵の展示や、そしてなんと「鳥獣戯画がやってきた」と題する鳥獣戯画絵巻の全貌展などもある様子。キャパがそれほど広くない美術館なのでもしかしたら今回のように入れ替えがあるかもしれないことを考えるともうすでに元がとれてる・・・。
メンバー向けの学芸員のギャラリートークなども参加できるそうです。入館前は躊躇した私でしたが、見終わっての感想は「これなら入ってよかったかも」でした。

日本美術好きの方にはかなりおすすめかもしれません。

写真1、2はピンバッチにもなってるオランダ人&船籍の絵皿より
現代でも十分通じるセンスのいい絵!